なんでも捨ててしまう母と子どもの闘い

末っ子の保育園でひらかれた夏祭りのお話。

通例なら先生たち作り上げた渾身の建ち並ぶ屋台に、親子で参加する行事である。手作りの色とりどりの可愛らしいチケットを握りしめ、在園児と卒園児が先生たちの待つ屋台へ向かう。普段とは違う園の雰囲気と子どもたちの楽しそうな姿を見ていると、思わず笑みがこぼれる。私も大好きなイベント。

今回はコロナ渦での開催であった為、在園児のみでの開催。年長さんである末っ子にとって最後の夏祭り。『思う存分楽しんでもらいたい』そんな想いで、12年間お世話になっている保育園へと送り出した。

 夏祭りを目前に控えた2日前、我が家が騒然となった。

20時半頃、末っ子がいつものごとく保育園の準備を始めると、『浴衣がないよー』と叫ぶ声。洗い物で必死だった私は、『いつもの場所にあるでしょ』と空返事。

何度もタンスをチェックする娘が今にも泣き出しそうな表情で、私の元にやって来た。『ママ、やっぱり無いよ。前はあったのに・・・』その声に、嫌な予感が脳裏によぎった。

少し前に間違いなく見た記憶はある。『これで夏祭り大丈夫やねー』会話を娘としたばかり。思い当たる場所を探すが、見つかったのは浴衣の帯のみ。

『ママ、またやってしまった・・・。』私のか細い声に、状況を察した子どもたちが肩を落とした。『ママ、またやったのね・・・』そんな心の声が伝わる子どもたちの姿を前に、友人に大急ぎで連絡を入れ浴衣を貸してほしいと懇願した。

すでに21時を超えていたが、心優しい友人のおかげで浴衣を手にすることが出来た。『この時間でよかった・・・』と安堵すると共に、事件を起こした張本人である自身の悪い癖が露呈する結果となった。

今回の事件の要因は、少し前に大量の衣服整理をした際に捨ててしまったことにある。長女と次女でお揃いの浴衣の大きいサイズだけ残すつもりだった。けれど、いつものごとく確認もせず袋に投入し、まさかの両方捨ててしまっていた。

私は何でも捨ててしまう癖がある。幾度となく子どもたちがその被害にあっている。子どもたちからも『ママはすぐ何でも捨てちゃうしなー』なんて言われる始末。

穴があったら入りたい・・・まさにそんな心境になる。

過去の犠牲を挙げるとするならば

・子どもたちの学校関係の書類 →なぜか提出必要なものばかりを捨ててしまう。

・遊びの際、裏紙に書いた子どもたちのお絵かき

・一生懸命折り紙で作った、何かはよく分からない作品

・主人が好意で持って帰ってきたパンフレットなど

多すぎて細かくは覚えていないが、ありとあらゆる物を捨ててきた。

仕事から帰り、無法地帯と化した散らかった部屋を見ると、特にスイッチが入ってしまう。今、この現状を打破したい衝動に駆られ、一心不乱に一掃作業に入る。

そんな私を見て『ママに捨てられる前に、確保やー!』と普段は喧嘩ばかりしている子どもたちも、一致団結して私に向かってくる。言わば、私と子どもたちの闘い。

何か物が無いと『ママがまた捨てたんちゃう?』とケタケタ笑いながら話す子どもたち。『いやいや、君たちが散らかさなかったらいいだけやん』と反撃するものの、図星な部分も否めない。

整理整頓が得意では無いが故に、『物を溜めない』を選択した。そんな言い訳を並び立て、なんとか家を維持している。

SNSで見かける、整理整頓された部屋。センスのいい家具が並び、どこを開けても恥ずかしくない収納。細かく分類され、欲しいものがすぐ取り出せる。そんな夢のような空間を生み出せる能力とセンスがほしい。

何でも捨ててしまう母と、子どもたちの闘いは続いていく。

とは言えど、「捨てる前にまず確認」を怠らなければいい話。

43歳母、頑張ります。

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